聖マリアンナ医科大学医学部は、神奈川県川崎市にキャンパスを構える私立医学部です。1次試験は英語・数学・理科2科目の合計400点、2次試験では小論文・面接に加えて「適性検査」が課されるという、他の私立医学部にはあまり見られない特徴を持っています。附属病院である聖マリアンナ医科大学病院は、神奈川県内の高度急性期医療を担う中核病院として知られています。
各科目とも試験時間に余裕がある構成が多く、難易度自体は標準的な問題が中心ですが、記述問題の比重が高く、時間の余裕を活かして丁寧に得点を積み上げられるかどうかが合否を分けます。後期入試では倍率が100倍を超えた年度もあるなど、入試方式による難易度差も大きい大学です。
この記事では、聖マリアンナ医科大学医学部の一般選抜について、科目別の出題傾向と対策、面接・小論文・適性検査の準備法までを整理して解説していきます。
⚠️ 本記事は2025〜2026年度の入試情報をもとに作成しています。配点・試験科目・日程などは変更される場合があります。最新の情報は必ず聖マリアンナ医科大学の公式サイトおよび募集要項で確認してください。
📌 この記事でわかること
- 聖マリアンナ医科大学医学部の入試制度と配点構造(1次400点+2次の小論文・面接各50点)
- 英語・数学・理科の科目別出題傾向と、時間の余裕を活かした対策
- 「適性検査」を含む2次試験の特徴と面接での深掘りへの備え方
- 小論文(60分・800〜1000字)の出題形式の変化と対策法
聖マリアンナ医科大学医学部の入試対策の前提|制度と配点を把握する
聖マリアンナ医科大学医学部の一般選抜は、前期と後期の2回実施されます。2025年度入試からは1次試験日を後ろ倒しにしたため、前期入試は私立医学部受験生にとって「天王山」のような位置づけになっています。1次試験はパシフィコ横浜ノースなど本学以外の会場でも実施され、2次試験は本学(川崎市)で行われます。同大学は6年間一貫教育による「グッドドクター養成カリキュラム」を採用しており、1年次から始まる専門教育や小グループ問題解決型教育など、自ら学ぶ力の養成に重点を置いた教育環境が特徴です。
1次試験の配点
| 科目 | 配点 | 試験時間 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 100点 | 90分 | 記述+選択 |
| 数学 | 100点 | 90分 | 穴埋め+記述 |
| 理科(2科目選択) | 200点(各100点) | 2科目で150分 | 記述・穴埋め |
2次試験の配点
| 試験 | 配点 | 形式 |
|---|---|---|
| 小論文 | 50点 | 60分・800〜1000字 |
| 面接 | 50点 | 個人面接(15〜30分程度) |
| 適性検査 | 点数化なし | 30分(出願書類とともに面接の参考として使用) |
1次試験400点+2次試験100点=合計500点満点で最終合否が決まります。合格最低点は52〜54%前後とされており、他の私立医学部と比べても、極端な高得点勝負というよりは着実に得点を積み上げる姿勢が求められる水準です。
後期入試は募集人員が非常に少なく、2021年度・2022年度にはいずれも実質倍率が100倍を超える超高倍率を記録しました。合格を勝ち取るには1,000名を超える受験生の中でトップクラスの成績を収める必要があり、前期での合格を軸に据えつつ、後期も視野に入れるなら相当な実力が求められます。

「適性検査」は点数化されないものの、出願書類とともに面接の参考資料として使われます。学科試験の対策だけに集中せず、2次試験全体を見据えた準備が必要な大学です。
聖マリアンナ医科大学医学部の英語|出題傾向と対策
英語は試験時間90分・大問4〜6題構成で、配点は100点です。記述・選択の併用形式で、英文和訳や和文英訳、内容説明といった記述形式の出題に重点が置かれているのが特徴です。読解問題から会話問題、文法問題まで幅広く出題されます。
長文のテーマは自然科学に関連した内容が多く、近年は動物を題材とした英文も目立ちます。長文の分量は大問1が約800語、大問2が約550語程度と、極端に長すぎない適度な分量です。90分という試験時間に対して、まとまった長文は大問1・2程度であるため、時間的にはかなり余裕があります。英語が苦手な受験生でも、落ち着いて取り組めば十分にキャッチアップできる内容です。
全体の難易度は標準〜やや高めとされていますが、時間に余裕がある分、記述問題の答案作成に十分な時間を割けます。英文和訳・和文英訳の答案作成練習を重ねておくことが得点力の向上に直結します。なお、発音・アクセント問題は2006年以降出題されていません。
✅ 英語の対策ポイント
- 記述問題(英文和訳・和文英訳・内容説明)の答案作成練習を重点的に行う
- 自然科学・医療系テーマの長文に慣れ、背景知識を蓄えておく
- 90分は時間に余裕がある。焦らず丁寧に記述答案を仕上げる意識を持つ
- 文法問題は年度によって傾向が変わりやすいため、幅広い形式に対応できるようにしておく
聖マリアンナ医科大学医学部の数学|出題傾向と対策
数学は試験時間90分・大問4題構成で、配点は100点です。2018年度以降、この基本的な枠組みは一貫して維持されており、形式の安定性が非常に高い科目です。出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(確率分布と統計的推測を除く)で、微積分、複素数平面、整数論・論理的証明といった分野が頻出しています。
大問1は小問集合で、2021年度以降は2〜3問程度出題されています。大問2〜3は誘導形式の穴埋め式、大問4では毎年のように証明問題が出題されており、過去には整数、格子点とベクトル、数列などがテーマとして扱われました。ただし、証明問題が出題されない年度もあるため、出るか出ないかにかかわらず対応できる準備をしておく必要があります。
一見すると変則的に見える設定の問題であっても、実際には標準レベルの問題集によく載っている解法で解ける素直な問題が多く、単なる暗記ではなく、定義や定理の背景にある原理を理解しているかどうかが試されています。90分で大問4題という時間配分は決して余裕があるわけではなく、大問1の小問を素早く処理し、残り3題でじっくり思考と記述を行う時間配分が求められます。
✅ 数学の対策ポイント
- 微積分・複素数平面・整数論・証明問題を重点的に対策する
- 大問1の小問集合はスピーディーに処理し、残り時間を記述問題に充てる
- 証明問題の有無に関わらず対応できるよう、日頃から論理的な記述練習を積む
- 暗記ではなく「なぜその解法が成り立つのか」を理解する学習を心がける
聖マリアンナ医科大学医学部の理科|出題傾向と対策
理科は物理・化学・生物から2科目を選択し、2科目合わせて150分・200点(各100点)で解答します。2科目150分という試験時間は他の私立医学部と比べても余裕があり、この時間をどう活かすかが得点力を左右します。
化学の傾向
化学は大問2題構成で、記述・穴埋め併用形式です。難易度は標準的で、時間的にも余裕がある構成のため、高得点を狙いやすい科目とされています。2024年度・2025年度には出題されなかった描図問題が復活する可能性も指摘されており、グラフや図を描く練習もしておくと安心です。
物理の傾向
物理は大問5題構成です。2010年以降、第1問が小問集合4問という構成が続いており、力学・熱力学・電磁気学・波動から幅広く出題されます。導出過程の記述やグラフを選択する問題が例年出題され、原子分野からも毎年出題されている点は見逃せません。問題数が多いため、手早く処理できる問題から優先的に解いていく判断力が求められます。
生物の傾向
生物は大問3題構成です。各大問には特定のテーマについて1〜2ページの本文が用意されており、その空所補充や関連知識、テーマを掘り下げた考察がバランスよく問われます。知識・考察ともに多くは標準的なレベルですが、現象を説明する知識論述や理由を説明する考察論述が比較的多く含まれるのが特徴です。教科書に登場する生物用語や生命現象をきちんと暗記しておけば対応できる問題が中心ですが、問いの切り口が一般的な問題集とは異なる場合があるため、過去問でその独特の問い方に慣れておくことをおすすめします。
✅ 理科の対策ポイント
- 2科目150分は時間に余裕がある。焦らず記述・論述問題を丁寧に仕上げる
- 化学は高得点を狙える構成。描図問題の復活にも備えておく
- 物理は原子分野も毎年出題。問題数が多いため取捨選択の判断力を養う
- 生物は知識論述・考察論述が多い。教科書レベルの用語を自分の言葉で説明できるようにする
聖マリアンナ医科大学医学部の小論文|出題傾向と対策
小論文は試験時間60分・800〜1000字で、配点は50点です。出題形式は年度によって変化があり、注意深く傾向を追っておく必要があります。
2019〜2021年度にかけては、前期試験でテーマの異なる2つの文章が出題され、後期試験では1つの文章に対して要約と意見論述が課される形式が定着していました。各文章に対して短答形式の設問(20〜100字程度)で内容理解や筆者の意図を問い、最後に受験生自身の考察を求める論述問題が続く構造です。
しかし2023年度入試から出題形式に変化があり、2024年度入試ではグラフをはじめとした数的データを扱った問題が出題されました。さらに2025年度は、与えられたテーマについて自分の意見を述べるテーマ型の形式に変わっています。従来の深い倫理的思考力に加えて、近年はデータ分析力と構造化された論述力の両方を養っておくことが対策のポイントになります。
出題テーマは医療に限らず、現代日本において高頻度で論じられる社会的なトピックが扱われることが多いのが特徴です。馴染みのあるテーマだからこそ、表面的な意見にとどまらず、より深く考察し論理的にまとめる力が問われます。
✅ 小論文の対策ポイント
- 出題形式の変化に対応できるよう、要約型・データ分析型・テーマ型すべての練習をしておく
- 医療に限らず社会的トピック全般について、自分の考えを整理しておく
- 800〜1000字を60分で書き切る時間配分を過去問演習で確認する
- 馴染みのあるテーマほど、表面的でない深い考察を心がける
聖マリアンナ医科大学医学部の面接・適性検査|2次試験の対策
面接は個人面接形式で、面接官3名に対して受験生1名、所要時間は15〜30分程度です。質問は医師志望理由、本学志望理由といった比較的オーソドックスな内容が中心ですが、回答に対して面接官がかなり深くまで掘り下げてくる傾向があります。
面接でよく聞かれる質問
| 分類 | 質問例 |
|---|---|
| 志望理由 | 医師志望理由、聖マリアンナ医科大学を選んだ理由 |
| 人物像 | 自己PR、高校時代に力を入れたこと、長所と短所 |
| 併願状況 | 他校との比較、なぜ本学を志望するのか |
| 深掘り | 最初の回答に対する追加質問(かなり踏み込んだ内容) |
面接自体は穏やかな雰囲気で行われることが多く、専門的な医療知識が直接問われることは少ないとされています。しかし、ひとつの質問に対する深掘りの度合いが大きいため、表面的な回答を用意するだけでは対応しきれません。自分の志望理由や経験について、「なぜそう思うのか」を何段階も掘り下げられても答えられるよう、事前に自分の考えを整理しておくことが重要です。併願状況についての質問もあるため、他校との比較や、聖マリアンナ医科大学を選ぶ理由を明確に説明できるようにしておきましょう。
適性検査は30分程度で実施され、点数化はされませんが、出願書類とともに面接の参考資料として活用されます。面接への不安がある場合は、適性検査の結果が面接の質問内容に影響する可能性も念頭に置き、自分自身を客観的に振り返る準備をしておくとよいでしょう。
⚠️ 面接で注意したいこと
- オーソドックスな質問だからと油断し、深掘りへの準備を怠ってしまう
- 併願校について聞かれた際に、本学への志望度の低さを感じさせる回答をしてしまう
- 適性検査が点数化されないからと軽視し、当日の取り組み方が雑になってしまう
- 自分の考えの「なぜ」を突き詰めておらず、深掘りされると回答に一貫性がなくなる
聖マリアンナ医科大学医学部の入試対策|時間の余裕を活かす受験戦略
聖マリアンナ医科大学医学部を攻略するうえで、各科目に共通する「時間の余裕」をどう活かすかが重要な戦略ポイントになります。
記述問題の完成度を高める
英語・数学・理科いずれも記述形式の出題が多く、かつ時間的な余裕がある構成です。時間配分に追われる入試ではないぶん、記述答案の質そのもので差がつきやすい入試だと言えます。単に答えを出すだけでなく、論理的でわかりやすい答案を書く練習を重ねておきましょう。
前期の過去問を徹底的にやり込む
数学は前期・後期ともに「90分・大問4題」という枠組みが固定されており、問われるテーマも共通する傾向にあります。後期を視野に入れる場合でも、他大学の難問対策に手を出すよりも、前期の過去問を繰り返し解き直すことが、そのまま後期試験の予行演習になります。
2次試験全体を見据えた準備をする
小論文・面接・適性検査という2次試験全体の構成を踏まえ、学科試験の対策だけに偏らないバランスの取れた準備を進めましょう。特に小論文は出題形式が年度によって変化しているため、複数のパターンに対応できる練習をしておくことが安心材料になります。

聖マリアンナ医科大学は「時間に余裕があるから楽」ではなく、「時間があるからこそ丁寧な記述力が問われる」入試です。スピード勝負ではなく、質で勝負する意識を持って対策を進めましょう。
📝 まとめ
- 聖マリアンナ医科大学医学部は英語100・数学100・理科200の計400点+2次(小論文50・面接50)で計500点
- 各科目とも試験時間に余裕があり、記述問題の完成度が合否を分ける
- 数学は「90分・大問4題」の形式が安定。証明問題への対応力を養っておく
- 理科2科目150分も余裕あり。物理は原子分野も頻出、生物は論述問題が多い
- 小論文は出題形式が変化中。要約型・データ型・テーマ型すべてに対応できる準備を
- 面接は深掘り型。適性検査も参考資料として使われるため、2次試験全体を見据えた準備が必要
聖マリアンナ医科大学医学部は、時間に余裕のある試験構成の中で、記述力・論述力の質そのものが問われる入試です。英語・数学・理科それぞれで丁寧な答案作成力を磨きながら、小論文の出題形式の変化にも柔軟に対応し、深掘り型の面接にも自分の考えを整理して臨みましょう。時間に追われないからこそ、一問一問への向き合い方の丁寧さが最終的な合否を分けることになります。


